7日5日投開票の東京都議会議員補欠選挙、最後の日曜日となる28日午後、枝野幸男代表は松木かりん候補(大田区)と蒲田駅西口広場で、斉藤りえ候補(北区)と赤羽駅東口広場で応援演説を行いました。
松木かりん候補は次のように訴えました。
27歳の女性が政治に挑戦していくのは、なかなかに難しいこと。私はこれまで人生で3回、結婚できなくなると言われた。3回目に言われたのが今回の選挙に出るとき。本当に大きなお世話。これが日本のジェンダーの問題。結婚にケチをつける、こんな人があたりまえのようにいる。日本のジェンダー指数はとても悪い。それが特に遅れているのが政治の分野。若い女性が政治に挑戦できるように、これまでの先輩が作ってくれた道を太くして今後の世代に託していきたい。
私たちがこれからの子どもたち、学生さんたちを応援していく。彼らが輝ける未来を作っていきたい。
一人ひとりの努力が報われ、発展する東京を作っていきたい。
斉藤りえ候補は次のように訴えました。
コロナの影響で、資金繰りに苦しむ事業者、ひとり親家庭、孤立するお年寄り、仕事がなくなり生活に苦しむ人、先の見えない不安に苦しんでいる人がいる。そして、街からは、政治には頼れないという叫びが聞こえてきます。いま政治に一番求められているのは、届きにくい小さな声をしっかりと聞きにいく姿勢。声にならない声、声をあげたくてもあげられない声、それにじっくりと耳をすませ、丁寧に拾い上げることが一番大切なこと。そこには耳が聞こえない私、斉藤りえだからこそ聞こえる声があります。いまはみんなが本当に辛い状況にあるかもしれない、だからこそ私は、政治の世界から、そうした声に寄り添って、政治を変えていきたい。
枝野代表は次のように訴えました。
今日は昼過ぎに銀座で宇都宮さんの応援でマイクを握った。(共産党の)志位さん、(前総理の)野田さんと一緒に応援したが、これはちょっと前までは考えられなかったこと。これは政治が変わっているということ。
新しい生活様式をみなさんは強いられている。でも、政治や行政はがもっと新しくならなければならない。いまのままの路線でいいのか、それが問われているのが今回の都知事選、補欠選挙。
自己責任では生きていけない、それを今回のコロナ感染症で思い知ったはず。自分だけでは感染を防げない。自分の力だけでは自分の命を守れない。他の人の協力が必要になる。
命だけではない、暮らしもそう。仕事を失った方、商売をやめなければいけなかった方、これは自己責任なのか。感染症で、自粛だ休業だとなって、それは自己責任なのか。自分の努力だけではどうにもならないときに、それでも生きていくためには、支え合え、分かち合える仕組みが必要。それをやるのは家族ではなく行政であるはず。東京では東京都がそれを担わなければならない。その責任は、知事にあり都政にある。しかし、残念ながら機能していない。多くの人が将来の不安を感じている。
今回は感染症だったが、今後は、地震が来るかもしれない、何が起こるかわからない。今回のことを教訓にして、支え合い、分かち合いができる新たな東京を作っていこう。
選挙の主役は政党や政治家ではない、あなたが政治の主役。あなたの力が必要。
蒲田駅での街頭演説終了後、枝野代表は記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:投票日までちょうどあと1週間、まず現状の手応えをどう感じていますか
感染症の影響もあるので戦いにくい選挙ではありますが、その中ではしっかりとした活動は展開しているのではないか。
Q:一部、新聞報道等では現在、現職の小池さんが優勢で、かつ野党支持層の中でも半分程度は小池さんに投票するという報じられ方をされていますが、どのように巻き返しをはかっていきたいか
基本的には世論調査にはコメントしないと、いつも申し上げているとおりです。
Q:都議補選に関しては、党としてどのように位置づけてこれから1週間戦うか
もちろん、公認候補を立てて戦っているわけですし、都市部の分だけ、いわゆる本部からのテコ入れが意味を持つ比率が高いので、応援遊説などで、できるだけ票を掘り起こせるように頑張っていきたい。
Q:今回、国民民主党が自主投票になり、れいわから山本太郎さんが出られています。野党統一候補にならなかったことに対する受け止めと、これが衆院選に与える影響は
コメントする立場にはありません。
Q:東京都内の感染者数が依然として50人前後と高止まりしている。国に対してよく発信されていますが、都に対して、どういったことが足りないのか、あるいはこれまでの活動で評価している点があれば教えてください
地方分権の党ですので、都政あるいは都知事に対しての直接の評価なり注文なりは、都連なり仲間の都議会議員からするべきだと思っています。
Q:関連で、東京に限らず、日本国内でも小樽でかなりのコロナの感染者数が増えてきていますし、アメリカでも第2波が懸念されている。こういった状況をどう捉えて、今後どのように政府に対策・対応を求めていくか
実際に感染が確認された方の数よりも大切なのは、検査をされてる方の数、それからどういった方に検査をしているのか、ここが一番問題。感染が疑われる方で、従来なら検査を受けてなかったであろう方に前広に幅広く検査をしている結果増えているならば、むしろ収束に向かう動きでありますし、逆に従来と同じような検査の受け入れ状況の中で増えていれば、これはもう明らかに第2波にむけた動きがかなり進んでいると受け止めざるを得ない。
いま残念ながら、検査数自体が増えていない。あるいは前広に一種積極的に感染のリスクの高い方、感染をされた場合にはリスクの高い方、そういった方に対して、検査が拡大して行われているとは伝えられていない。最終的な結論は出しにくいが、まずはどういった方にどれぐらい検査をしているか、もっと分かりやすく速やかに具体的に公表するべき。
Q:別件で先日、日本医師会の会長選挙が行われまして、会長が新しく変わることになりました。これまでの医師会の取り組みをどう評価されているか、また今後の医師会に期待したいことをお願いします
内部の自治の問題ですので、会長が変わられたことについてコメントすべきではないと思っています。日本医師会は公益性の非常に高い、そして幅広い医師の方が加わっている団体でありますので、政治的な中立性をしっかりと徹底していただかないと日本医師会としての役割を果たせないだろうと思っていますので、ぜひそれについてはしっかりとしていただきたい。
Q:コロナ禍における選挙戦で、応援演説に立たれていますが、いろいろな対策を講じられているなか、コロナ禍における選挙戦を、どのように実感としてとらえられていますか
握手ができないとか、お集まりいただいた方もできるだけ密集しないでくださいとか、やりにくい部分はたくさんありますが、それはこういう状況の中ではやむを得ないことですし、例えばこういった状況でなくても、暑い時期の選挙なのか、梅雨の選挙なのか、寒い時の選挙なのかでやっぱり制約は普段からある。その中で最大限やるしかないので、制約はありますが、その中で最大限、いろいろな工夫はできているのではないか。