枝野幸男代表は28日夕、地方行脚で訪れた金沢市内で記者団の取材に応じました。
枝野代表は、金沢を訪れての感想を問われ、「県連組織がないなかであるにもかかわらず、県都・金沢で市会議員を誕生させていただくなど、いろいろな形で応援、期待していただいている方がいらっしゃるので、県連立ち上げの時期にかかわらず可能であるならお伺いをし、直接お話をしたいと思っていた。喜成市議にもご尽力いただき、こういう場ができて大変よかった。できれば富山についても似たようなことができればと思っており、県連もできるだけ早く作れればと思っている」とコメント。
国政では石川県内の衆院小選挙区3つのうち2つが野党系候補がいないなか、今後どのようにアプローチしていく考えかとの問いには、「会派も一緒になるので(国民民主党の)近藤(和也)さん(衆院石川3区)とも、より密接に情報交換、意見交換をしてできれば3つとも自民党に対抗できる野党系の対抗馬を示せるようにしたい。必ずしも立憲にこだわらず、どういう形のどういう方に立っていただくのがいいかを近藤さんとも相談しながら進めていきたい」と答えました。
石川県連立ち上げに向けた具体的な道筋や時期については、「今日の会もそこに向けてつながっていけばとの思いで来た。できるだけ早くと思っているし、いつ衆院選挙があるか分からないが、それに向けて体制が作れればいいと思っている」と述べました。
こども食堂を訪れての感想を問われると、「各地で地域の事情に応じていろいろなアプローチをされていると承知しているが、例えばランドセルの補修販売の話はなかなか聞いたことがなかった。そうした意味では子ども食堂を起点にしながら高齢者、あるいは子どもの子育て・教育にかかわるさまざまな問題にいい形でつながっていると受け止めさせていただいた。これは全国的にも生かしていけるのではないか」との認識を明示。「一方で、小学校区に1つずつ作っていきたい。そこに向けては場の確保が難しいということなので、直接には自治体だとは思うが国として後押しできることがないかしっかりと取り組んできたい」と力を込めました。
10月1日から消費税が10%に引き上げ予定であることへの党としての対応については「いまからでも止めるべきだと思っている」と発言。
臨時国会での憲法議論については「議論自体を否定したことはないと思うが、レールを敷かずどういうダイヤを組もうかと言っても意味がない。まずは国民投票法、有料広告規制の話に決着つけないと中身について議論をしても発議のしようがない。それが先行しなければならないという考えは変わっていない」との旨話しました。
台風15号による被害をめぐり10月1日、衆院災害特別委員会で閉会中審査が開かれる予定であるなか、菅官房長官が政府の対応は迅速かつ適切だった旨発言したことに、政府の対応に対する受け止めと、今後の国会論戦にどのような姿勢で臨むかについての質問がありました。枝野代表はこれには「政府として迅速で適切だったと思いたい気持ちは分からないでもないが、実際に結果として被害を受けられた住民の皆さんが初期の対応について『もっと早ければ』という声は間違いなく生じている。本当に適切だったのか、迅速だったのかどうかはこれから検証しなければならないのに、官房長官が初めからそういった発言をされると、霞が関を含めて忖度されてしまう。そうすると、政治の責任かどうかは別問題にしても、遅れたことについての検証がなされなければ、次に似たような災害が起こったときに(経験が)生きないことになるので、まずは遅れたこと、適切でないことがなかったかを謙虚に検証するのが政府のあるべき姿だと思っている」と述べました。
枝野代表はまた、文化庁が当初予定していた「あいちトリエンナーレ」に対する補助金を全額交付しないと発表したこと、関西電力の社長ら役員6人が福井県高浜町の元助役から2018年までの7年間に総額約3億2千万円を受け取ってたとされていることについて、「(臨時国会での)大きな政治課題ではないかと思っている」と指摘。「原発マネーという言葉が言われ、原発にまつわるお金の話は昔から問題視されてきたが、基本的には原発を作りたい電力会社側からいろいろなところに流れていく問題だと思っていた。だが、そのお金の一部がバックマージンとして入ってきているのではないかというような話。原発を推進してきた電力会社の姿勢そのもの、それを後押ししてきた自民党政府の姿勢そのもの、本質にかかわる問題ではないか。経済産業省、エネルギー庁は厳しく報告を聴取させるべきだ。日本のエネルギー政策の根本にかかわる重大問題だと思う」と述べました。
【石川県】「なるべく早く県連立ち上げたい」枝野代表が金沢市内で
2019年9月28日