枝野幸男代表は13日、参院静岡選挙区から立候補した、党公認の徳川家広さんの応援のため静岡県入りし、沼津、静岡両市内での街頭演説会に参加。静岡市内での街頭演説会には、比例で立候補している石川大我、佐藤かおり、白沢みき各候補も参加し、あいさつしました。
徳川宗家19代目で政治経済評論家の徳川さんは、「今回の参院選挙は、生活を守るための生活防衛のための戦いだ」と強調。景気が悪いなかでの10月の消費税増税によって景気のさらなる悪化が懸念されること、「老後資金が2000万円足りない」とする金融庁の金融審議会による報告書を麻生財務・金融担当大臣が受け取りを拒否し、なかったものとし議論を封じようとしていることを一例に挙げ、「景気を悪化させる懸念のある消費増税、議論するよう求めることができるのは野党第1党の立憲民主党が議席を伸ばし、政府に緊張感を与えることだ」と述べました。
日本では、毎年何十万人もの人口が減り、特に新生児は3年前に97万人と100万人を割って以後減り続けているとして、「これは衰退だ。子どもを産みたくても産めない社会になっている」と指摘。こうした状況を変えるために必要なセーフティーネットの整備として特に教育について、日本では教育機関に対する公的支出が国内総生産(GDP)の約3.5%と、OECD(経済協力開発機構)各国平均の約4.7%を大きく下回っていることに触れ、これを1%上げるだけで経済は劇的に良くなるとの認識を示しました。併せて子育て支援策についても、社会全体で育てる環境を整備すれが出産率は上がり、子どもが増えれば消費も拡大、労働生産性も上がると主張。民主党政権で掲げた「コンクリートから人へ」と政策を転換することこそが経済成長につながると説きました。
「生活を守るために一番必要なのはいまの平和を守ること」だと述べ、「憲法9条があって戦争をしないと誓った国だからこそ、国際社会は日本を信用し、いまの安全がある」「憲法を守って平和を守る。原発を廃止して生命を守る。立憲民主党が勝って皆さんの生活を守っていく」と力を込めました。
同日の街頭演説会には、市民代表応援弁士として地元の大学3年生の若者もステージに登壇。「まもなく就活が始まるが、社会人になると奨学金の返済と同時に、将来、老後のことを考えなければいけない世代だ。本当に息苦しい、冷たい政治が続いていると感じている。言いたいことも言えない。当たり前だと思うことが当たり前に行われない。そういう社会、世の中になっていると感じている。そういったなかで、静岡選挙区から立憲民主党として徳川家広さんが立候補してくださった。このような息苦しい社会のなかで、私は徳川家広さんが掲げる『一人ひとりにやさしい政治』のスローガンに本当に共感した。セーフティネットの強化、税金を正しく使う、そして、もう一つは忘れてしまいましたが(笑)、これには本当に共感した。豊富な海外経験を持ち、経済のプロである徳川家広さんの政策には、静岡、そして日本をよくしようとする意志を感じた。どうか皆さん、徳川家広さんに熱い支援をお寄せください」と呼びかけました。
枝野代表は演説のなかで、年金制度をめぐり、(1)基礎年金制度に対する拠出金についての国庫負担割合を3分の1から2分の1へ引き上げ、財源を確保し制度を安定させること(2)原則として保険料を25年間以上納付していないと権利を得られなかった老年基礎年金の受給資格を、10年以上の納付があれば得られるよう緩和すること――を決めたのは、安倍総理が「悪夢」と呼ぶ民主党政権だったと説明。「自分に都合のいいところだけ、自分がやったかのような発言はやめていただきたい」と指摘しました。
また、安倍総理が掲げる「政治の安定」に対し、政治の安定させるためには高齢者の暮らしの安心や現役世代の雇用の安定、育ての安心を作らなければいけないと主張。「人件費の引き下げ競争で新興国には叶わない分、私たちの国は、一人ひとりの力を最大限引き出していかなければ、これからの経済も社会も成り立っていかない。ただでさえ若い人、子どもの数が減っている。新興国ではまねのできない新しい技術や新しい製品、新しい付加価値を私たちの国は生み出し続けなければならない。金太郎あめのような社会で、みんなが同じことを言う社会で、新しいものが生まれてきますか。ただでさえ若者の数が少ないなか、社会のなかで生きづらさを感じて、自分らしく生きられない。そんな若者たちを増やしてこの国は成り立っていきますか。多様性を力にする社会にしていかなければいけない。多様性を認め合う、一人ひとりの暮らしの安心を高めるところから消費を伸ばすことが経済を回していくという新しい経済の形の第一歩を踏み出す。私たちは右でも左でもなく前へ進んでいきたい」などと訴えました。
徳川さんについて「いまの政治はおかしいと心底感じて立ち上がった。いまの安倍政権に真正面から、おかしなことはおかしいと戦える静岡の候補者は徳川さん以外にはいない」と紹介。政治の流れを変えるための輪を広げていってほしいと求めました。
同日の街宣に参加した、LGBT当事者の石川さん、DV被害者に寄り添っている佐藤さん、一人で暮らしている皆さんの声を代弁する白沢さんをはじめ、比例代表選挙の22人の候補者については「一番困っている当事者の声を代弁できる仲間が立ち上がってくれている。ぜひあなたの暮らしの声に一番近い、この人なら間違いなく、私がいま抱えている課題を代弁してくれるという比例候補者が必ずいるはず。ぜひ個人名を書いていただきたい」と呼びかけました。