国会で27日、安倍総理と野党の党首による党首討論(国家基本政策委員会合同審査会)が開かれ、枝野幸男代表が出席しました。党首討論は今国会で2回目です。
枝野代表は、2019年10%への消費増税が予定されるなか、その直前の来夏の参院選挙で議員定数を6増員する参院選挙改革案を自民党が会期末直前に国会に提出したことに、「消費税の引き上げは国民の皆さんに強い抵抗感がある。国民の理解を得るためには政治に対する強い信頼が欠かせない。消費税を上げる直前に国会議員の定数を増やすことが納税者、国民の理解を得られると考えるか」と迫りました。これに対し安倍総理は、自民党案の趣旨の説明に終始し、前回同様質問には答えませんでした。
枝野代表は、2012年11月の党首討論で当時野党の党首だった安倍総理が、選挙制度について少数政党の意見を聞くべきとの旨発言したことに触れ、「よもやこうした考え方が変わられていない前提で今後、じっくりと検討させていただきたい」とけん制しました。
枝野代表はまた、森友・加計学園問題をめぐり、(1)学校法人「森友学園」に国有地が約8億円値引きして売却されたことは、国民共有財産のダンピングであり税金の無駄遣いに当たること(2) 土地値引きに関し、私人である安倍昭恵総理夫人が行政に影響力を与えたかもしれなという、権力の公私混同の疑いが払しょくできていないこと(3) 加計学園の国家戦略特区での獣医学部設置プロセスに著しい問題があり、行政の中立性・公正性に対する信頼を損ないかねない疑義あること(4)権力に近い人間が優位に取り計らってもらえるという、行政の中立性・公正性への信頼が棄損されれば、権力にすり寄る人間が増加する一方で、そうした機会を得にくい大部分の国民はモチベーションが低下し、日本社会を崩壊させかねないこと(5)公文書改ざんという、行政に対する信頼を失わせる問題が生じていること(6)教育者である加計学園の理事長が出まかせを言うことで、教育に対する信頼を失わせていること(7)法務大臣の指揮権とは別のやり方で個別捜査に関与していたことを疑わせる文書に対し反証がされないまま、検察捜査すら信頼できない状況でこの国は法治国家とは言えないこと――の7つの問題点を列挙。「単なるスキャンダル問題ではなく、行政の公平性・廉潔性を損ね、放置すれば社会のモラルハザードを招く、社会と国家の危機だ。こうした問題については徹底的に真相を明らかにする必要がある」と厳しく非難しました。